1. |
終末の手紙
04:19
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昨日食べたアップルパイは
まだ少し酸味がする
部屋の広い窓の外は
午後になると三度下がる
ずっとやさしい家にいて
だからそれまでグッドバイ
君の寝息が響く以外
何も聞こえない静かな海
ガラスの欠片を集めたりして
朝を待つのは遠い記憶
ずっとかなしい音聴いて
みつけたよ
それからグッドバイ
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2. |
剥落
05:35
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掻き消される声は
喉にからみつく
殺されるのなら
快感の渦
酸性の涙よりは
溢れ出るナイフをそっと
口舌 切り離して
遊ばれた 現実肯定
細胞の感覚が
痛む気がするの
少しの気づかいが
欲を占める
真夜中 似通ったもの
満ちてゆく 糖類溶けていく
背徳 繰り返した
暴れ出す 軽蔑本能
毎朝 見返したのは
吐き出した すべての言葉
マチルダの視線は
アンビバレンスだった
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3. |
蒸留酒
04:18
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増えた蕾には
奪われてしまう
この先の鮮度は
定められている
割いた身体から
二つになるだろう
選ぶ潜在意識は
変えられない
貴方からは
よく見えているのね
そんな共演者とは
相容れないもの
明日が来るせいで
眠らないその目は
時計だけ見ていた
映らないまま
貴方のためだと
よく言えたものね
従うフリなど
演技は一流
このまま
水に流せなんて
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4. |
在りし日
04:41
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翳る外気が私を拒む
何も生まれないと言うの
矛盾が埋めた交差点は
誰も近づけない
同じ顔に疲れて 嘆いて
期待しても もう逃げられない
偽りの行為に暮れて
何もしたくないと言うの
くだらなさに目を合わせた時
誰も近づけない
同じ歌に疲れて 嘆いて
期待しても もう免れない
済ました声で辿った息
何も変わらないと言うの
明日の名によく似たそれは
もう抗えないのさ
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